恵比寿の地名

東京に鎮座する西宮のえびす様

「恵比寿」という地名の歴史を紐解くと・・・・

東京の恵比寿のえびす様恵比寿神社

恵比寿神社
恵比寿神社は兵庫県西宮市の西宮神社様からご分霊をいただいた渋谷区恵比寿地区の産土(うぶすな)の神です。
古伝によると、景行天皇の時代(約二千年前)、古代の英雄・ヤマトタケルノミコトが東国平定の折に、この恵比寿の地に憩い、神世七代の中の六天神を祭ったと伝えられています。昭和三四年、さらなる街の発展を願い、恵比寿という地名に因んで、鯛を抱かれた福徳の神《えびす様》を合祀して恵比寿神社と改称しました。(由緒書きより引用)

えびす様の総本社西宮神社

西宮神社
西宮神社は 福の神として崇敬されている えびす様をおまつりする神社の総本社です。
西宮のえびす様は、古くは茅渟(ちぬの)海(うみ)と云われた大阪湾の、神戸・和田岬の沖より出現された御神像を、西宮・鳴尾の漁師がお祀りしていましたが、御神託によりそこから西の方、この西宮にお遷し、祭られたのが起源と伝えられております。(ホームページより引用)

〒662-0974 兵庫県西宮市社家町1-17
TEL:0798-33-0321 
http://nishinomiya-ebisu.com/index.html

恵比寿の地名の歴史

恵比寿地域は、昔は下渋谷村と呼ばれていました。

明治20年(1887年)日本麦酒醸造会社※1が、目黒村三田(現在の恵比寿ガーデンプレイス)の地にビール工場が建設され、明治23年(1890年)当工場でビールの生産が開始されました。明治26年(1893年)兵庫県西宮市にある西宮神社から御分霊を頂き工場内に恵比寿神社が建立されました。

ヱビスビール運搬のための貨物駅「恵比寿停車場」が工場に隣接する形で開設され、明治39年(1906年)には現在の駅の位置に移転し、「恵比寿駅」と名を改めて旅客用の駅としての利用が始まりました。そして次第に駅周辺がヱビスと呼ばれるようになったそうです。企業名が地名になる例はよくありますが、ヱビス※2という商品ブランドが地名になった例は全国でも珍しいとの事です。

その後、昭和3年(1928年)に駅周辺の地名を「恵比寿通」と名付けされたのを皮切りに、数度の地名改正を経て、周辺の町を統合し、昭和41年(1966年)に一帯が恵比寿という現在の町名になりました。

「恵比寿」には、福の神として崇敬されているえびす様を祀る「恵比寿神社※3」が、渋谷区恵比寿の産土(うぶすな)の神として鎮座していますが、もともとは「大六天」「天津神社」という名称でした。

古伝によると、景行天皇の時代(約2,000年前)、古代の英雄・ヤマトタケルノミコトが東国平定の折に、この恵比寿の地に憩い、神世七代の中の六天神を祀ったと伝えられています。

それが街の名称変更に合わせ、さらなる街の発展を願い、昭和34年、兵庫県西宮市にある西宮神社からご分霊として鯛を抱かれた福徳の神《えびす様》を合祀して、恵比寿神社と改称されました。西宮神社の『御社用日記※4』にも恵比寿地区の関係者がご分霊を戴きに訪れた様子が記録されています。

西宮神社※5はえびす様(蛭児大神)をおまつりする神社の総本社です。

古くは茅渟(ちぬの)海(うみ)と云われた大阪湾の、神戸・和田岬の沖より出現された御神像を、西宮・鳴尾の漁師がお祀りしていましたが、御神託によりそこから西の方、この西宮にお遷し、祀られたのが起源と伝えられております。

関西では、えびす様に商売繁昌を祈願する信仰がさかんであり、初えびすである1月10日とその前後の日を「十日戎」として福笹の授与が行われています。中でも西宮神社では「福男選び」で知られる「開門神事」や「まぐろ奉納」がよく知られています。

関東では10月19・20日を「えびす講」の開催日として各地でお祭りが行われています。

恵比寿神社でも両日を例祭日としてお祭りが執り行われ、参道には「べったら市」が立ち、西宮神社の「御神影」「鯛みくじ」の特別頒布がされています。

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<注釈>

※1 日本麦酒醸造会社
東京を拠点にヱビスビールを製造・販売していた会社。1871年に製造開始、現在のサッポロビール株式会社。

※2 ヱビスビール
七福神の一柱である商売繁盛の神様の名にちなんで名付けられた。1890年に発売され、現在も人気を博している。

※3 恵比寿神社
〒150-0021東京都渋谷区恵比寿西1丁目11番地
TEL:03-3461-7580(恵比寿商店街会館)
最寄り駅:JR恵比寿駅より徒歩約5分、東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩約2分

※4 御社用日記
西宮神社の神主が江戸時代より300年以上にわたり、神社の社務を代々書き続けてきた日記。兵庫県指定重要有形文化財に指定されている貴重な記録で、現在も毎日、宮司が筆で書き綴っている。

※5 西宮神社
〒662-0974 兵庫県西宮市社家町1丁目17番地
TEL:0798-33-0321 http://nishinomiya-ebisu.com
最寄り駅:阪神本線「西宮駅」えびす口より徒歩5分、JR神戸線「さくら夙川駅」より徒歩8分、阪急神戸線「夙川駅」より徒歩15分


  • 昭和3年の恵比寿駅周辺の地図。駅名に「ゑびす」の名称が確認出来る。

  • 現在の恵比寿神社。

  • 昭和34年、西宮神社から御分霊を戴いて合祀した当時の恵比寿神社の様子。

  • 西宮神社の『御社用日記』に上記御分霊に関した記載有。

  • えびす宮の総本社・兵庫県の西宮神社。

  • 「開門神事」の福男選びの様子。

  • 一年の福をいただく福笹授与。

  • 奉納されたマグロに願いを込めて賽銭が貼り付けられる様子。

  • えびす様のお姿の御神影札
    (おみえふだ)。

  • えびす様とゆかり深い縁起物の鯛みくじ。